ディープエコロジーとは
ディープ・エコロジーという言葉は1973年、ノルウェーの哲学者アルネ・ネスによって提唱されました。
ネスは1939年(27歳)にノルウェーのオスロ大学哲学科の教授となり、長年に渡り、ノルウェーの哲学及び社会研究の分野にて指導的役割を果たしました。
アルネ・ネス(Arne Naess) (1912/1/27~2009/1/12享年97歳)
♥私たちは命の織物の中の一本の糸♥
ジョアンナと
ディープ・エコロジーは、今日の環境問題の原因を社会の構造のもつ前提そのものに求めること、そこから環境問題の対策も社会構造自体の変革によって図ろうという姿勢を持っています。
この変革を引き起こしうるのが、個人の社会、自然に対する意識の変革です。
ネスはそれを「制度の改革ではなく内面性の改革という長期的視野」であるといいました。
内面性改革の規範としてネスは「自己実現」と「生命中心的平等」を中心に挙げています。
ディープ・エコロジーにおける自己実現とは「独自のスピリチュアルで生物学的な人格を形成する」ことです。
ディープ・エコロジーの自己実現の特徴的なのは、人間は自己を深く見直すことによって「大いなる自己(有機的全体性)の中の自己」を体験し、他の生命体と一体感を得ることができるという主張です。
ディープ・エコロジーのふたつめの規範である「生命中心的平等」の理念は自己の実現と密接に関連しています。
この直観は、生物圏におけるあらゆるものが平等の生きる権利および、より大いなる自己を実現しつつ固有のかたちで発展し自己を実現する権利を有することの謂れです。
つまり生命中心的平等は人間が自分以外の自然の平等を軽視し、支配君臨しようとすることは、結局は人間自身の間において支配君臨の関係が支持されてしまい、自己実現が不可能になるのです。
生態学的なバランスの回復が、地球生態系の中で人類がどんな役割を担うのか。
科学の枠組みを超えて、全生命の一体性、生命の多様な顕れどうしの相互依存性、その変化と変容の循環、といったものを直感的に把握するようなリアリティの認識に根ざしています。
人間の魂(スピリット)というものを、個人と宇宙全体とのつながりを感得できる意識のあり方と理解した時、エコロジカルな気付きとはまさに精神的・霊的(スピリチュアル)な気付きにほかならないことが解ります。
ディープエコロジーワークショップとは
ディープエコロジーの考えは、アメリカを中心としてエコロジストの間に深く広まっていきました。
仏教学者であり、社会活動家として80年代初めから「絶望と再生のワークショップ」を行なっていたジョアンナ・メイシーもその中のひとりです。
「絶望と再生のワークショップ」とは、絶望を感じたときにそこで意識を喪失するのではなく、絶望に向き合い、連鎖する生命に目覚め、いかに自分なりの一歩を踏み出すことができるかに取り組んできたワークです。
どんなことを学ぶの?
全生命の集い
このワークが軸となって、「ディープ・エコロジー」を単なる観念に留めずに実践していこうという「ディープ・エコロジー・ワークショップ」が生まれました。
そして、1985年ジョアンナとオーストラリアの環境活動家ジョン・シードが出会う中で、ジョアンナのワークから環境に焦点を合わせた融合発展型として「全生命の集い」という形になりました。
これは、人間中心主義を超え、さまざまな生命との深いつながりあい、最終的には地球規模のつながりあいを回復していくことを目的としています。
それは段階として4つの層に分けられます。
(1)自分の中のディープ・エコロジー(心と体、頭と感情のつながり)
(2)自分と身近な人とのディープ・エコロジー(身近な人との深いつながり)
(3)自分とコミュニティとのディープ・エコロジー(職場や家族の中でのつながり)
(4)人間社会と自然とのディープ・エコロジー(人間と自然とのつながり)
受講料と開催日について
◎ディープエコロジー 1~3日間
1日ワーク 7h
参加費/昼食付き 15000円(昼食約1000円)
1泊2日 14h
宿泊食費は別
参加費/昼食付き 30000円(昼食1食付き、約1000円)
2泊3日 21h
宿泊食費は別
参加費/昼食付き 45000円(昼食1食付き、約1000円)
参加人数6人以上でクラスが成立します。
興味がある方はお問い合わせください。